【簿記2級】銀行勘定調整表の問題を確実に正答する図を考えてみた(企業残高基準法・銀行残高基準法)

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こんにちは。

ブログをご覧いただきありがとうございます。

Miryです。


今回は、簿記2級を学習中の立場から、個人的につまずいた箇所を噛み砕いて解説したいと思います。


解説することで、自分自身の理解度もアップするし、同じようにつまづいた方の理解にも繋がるはず。

正解は各々が持っているテキストに書いてあるので、その正解にたどり着くための考え方を、噛み砕いていこうと思います!



今回のテーマは、「企業残高基準法・銀行残高基準法による銀行勘定調整表」について。

以前、「両者区分調整法」による銀行勘定調整表についての記事を出しましたので、その続きです。


両者区分調整法による銀行勘定調整表が正しく書ければ、「企業残高基準法」と「銀行残高基準法」も難なく解けると思います。

前回の記事同様、図解で分かりやすく解答過程を説明していますので、前回の記事と合わせて読んでみて下さい!

なお、今回例題として出す問題は、「スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 第13版」というテキストから引用の上、「企業残高基準法」と「銀行残高基準法」に照らし合わせてあります。

銀行勘定調整表(両者区分調整法)の解答

企業残高基準法・銀行残高基準法に照らし合わせて解く前に、両者区分調整法の銀行勘定調整表を確認しておきましょう。
(※前回記事の正答です。)

今回は、この表も参考にしながらに進めていきます。


銀行勘定調整表(企業残高基準法)解答用紙

まずは、企業残高基準法の方から解いていきます。

解答記入前の状態がこちらです。

では、ここからは順番に埋めていきましょう。

各残高の記入

当社の当座預金残高は1,760円であるが、銀行残高証明書の残高は1,770円であった。なお、差異の原因を調べたところ、次のことが判明した。

という前提条件がありますので、これを表に記入していきます。

まずは帳簿残高から。

ここで念のため、企業残高基準法の定義を確認しておきましょう。

企業残高基準法は、企業の帳簿残高を基準として、これを調整することにより、銀行の残高に一致させる方法です。

スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 第13版 P.125


ということなので、最終的には銀行残高になるわけです。

なので、一番下の合計欄に、銀行残高を記入します。

連絡未通知・未渡小切手・誤記入

得意先に対する売掛金100円が当座預金口座に入金されたが、当社への連絡が未達であった。

仕入先に対する買掛金300円の支払いのために作成した小切手が、未渡しであった。

消耗品80円を購入し、小切手を振り出したときに、誤って次の仕訳をしていた。なお、当社では消耗品の購入時に、消耗品費勘定に計上する方法とする。
(当座預金)80   (消耗品費)80

この3つについては、両者区分調整法のうち、帳簿残高(企業残高)を調整した項目です。

↓図解


なので、この3つは企業残高基準法においても、そのまま記入していきます。

時間外入金・未取立小切手

現金200円を当座預金に預け入れたが、銀行では翌日入金としていた。

銀行に取り立てを依頼していた得意先振出の小切手150円が未取立てであった。

この2つは、両者区分調整法では【銀行残高の方をプラスして調整】してきていた項目です。

↓図解



しかし今回は、【帳簿残高を調整】しなければいけないので、銀行残高を動かさずに帳簿残高を動かしていきます。

具体的には、【銀行残高をプラスして調整】するのではなく、【帳簿残高をマイナスして調整】するということです。

帳簿残高の方から銀行残高に寄り添っていく感じ。

表に記入していくと、こういうことになります。

ついでに、減算側の合計値も記入してしまいましょう。

未取付小切手

仕入先に対する買掛金を支払うために振り出した小切手120円が、いまだ銀行に呈示されていなかった。

こちらは、両者区分調整法では【銀行残高の方をマイナスして調整】してきていた項目です。

↓図解


しかし今回は、【帳簿残高を調整】しなければいけないので、銀行残高を動かさずに帳簿残高を動かしていきます。

具体的には、【銀行残高をマイナスして調整】するのではなく、【帳簿残高をプラスして調整】するということです。

表に表すとこうなります。

加算側の合計値も記入しておきましょう。


最後に、計算結果があっているかどうか、念のため確認します。

【帳簿残高1,760円】に【520円を加算】して、【2,280円】。

そこから【510円を減算】すれば、【銀行残高1,770円】になりますね!

銀行勘定調整表(銀行残高基準法)解答用紙

次は、銀行残高基準法の方を解いていきます。
(※提示される条件自体は、企業残高基準法の時と同じです。)

解答記入前の状態がこちらです。

では、ここからは順番に埋めていきましょう。

(※企業残高基準法の逆を行く感じですけどね。)

各残高の記入

当社の当座預金残高は1,760円であるが、銀行残高証明書の残高は1,770円であった。なお、差異の原因を調べたところ、次のことが判明した。

という前提条件がありますので、これを表に記入していきます。

まずは銀行残高から。

ここで念のため、銀行残高基準法の定義を確認しておきましょう。

銀行残高基準法は、銀行の残高を基準として、これを調整することにより、企業の残高に一致させる方法です。

スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 第13版 P.126


ということなので、最終的には企業の帳簿残高になるわけです。

なので、一番下の合計欄に、帳簿残高を記入します。

時間外入金・未取立小切手・未取付小切手

現金200円を当座預金に預け入れたが、銀行では翌日入金としていた。

銀行に取り立てを依頼していた得意先振出の小切手150円が未取立てであった。

仕入先に対する買掛金を支払うために振り出した小切手120円が、いまだ銀行に呈示されていなかった。


この3つについては、両者区分調整法のうち、銀行残高を調整した項目です。

↓図解

なので、この3つは銀行残高基準法においても、そのまま記入していきます。

連絡未通知・未渡小切手

得意先に対する売掛金100円が当座預金口座に入金されたが、当社への連絡が未達であった。

仕入先に対する買掛金300円の支払いのために作成した小切手が、未渡しであった。

この2つは、両者区分調整法では【帳簿残高の方をプラスして調整】してきていた項目です。

↓図解


しかし今回は、【銀行残高を調整】しなければいけないので、帳簿残高を動かさずに銀行残高を動かしていきます。

具体的には、【帳簿残高をプラスして調整】するのではなく、【銀行残高をマイナスして調整】するということです。

銀行残高の方から帳簿残高に寄り添っていく感じ。

表に記入していくと、こういうことになります。

ついでに、減算側の合計値も記入してしまいましょう。

誤記入

消耗品80円を購入し、小切手を振り出したときに、誤って次の仕訳をしていた。なお、当社では消耗品の購入時に、消耗品費勘定に計上する方法とする。
(当座預金)80   (消耗品費)80


こちらは、両者区分調整法では【帳簿残高の方をマイナスして調整】してきていた項目です。


しかし今回は、【銀行残高を調整】しなければいけないので、帳簿残高を動かさずに銀行残高を動かしていきます。

具体的には、【帳簿残高をマイナスして調整】するのではなく、【銀行残高をプラスして調整】するということです。

表に表すとこうなります。

加算側の合計値も記入しておきましょう。


最後に、計算結果があっているかどうか、念のため確認します。

【銀行残高1,770円】に【510円を加算】して、【2,280円】。

そこから【520円を減算】すれば、【帳簿残高1,760円】になりますね!

さいごに

今回、「両者区分調整法」をもとに、「企業残高基準法」と「銀行残高基準法」を作成しましたが、もしもいきなり「企業残高基準法」や「銀行残高基準法」の問題が出されても、今回紹介した解き方で解けるかと思います!

簿記試験ではあまり出されないらしい(どこかの記事で見た)ですが、万が一出された時に備えて、自信を持って解けるようにしましょう!

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